※熊撃退スプレー『カウンターアソールト』(CA230)、『カウンターアソールト・ストロンガー』(CA290)の製造メーカー、米国のカウンターアソールト社の方針の変更に伴い、「使用期限」の表記が変更になりました。2016年11月製造分〜2017年10月末までの製造分は一様に、缶の底に「EXP 2021/12」(「使用期限」は「2021年12月」を意味している)と印字されたシールが貼られます。なお、「使用期限」(「EXP」)は製造から4年で変更ありません。
index:
・熊撃退スプレー(クマスプレー)の正しい選び方
・BEAR
SPRAY(クマスプレー、熊撃退スプレー)の歴史
・熊撃退スプレー『カウンターアソールト』の説明(誕生秘話、日本で最初にクマプレーが使用された話し、その他)
・特別寄稿文『知床で熊撃退スプレーの使用例 -
その有効性と使用者の心理』
・カウンターアソールト・ストロンガー の情報をアップしました。(2006.03.23)
・CA熊撃退セット
・カウンターアソールト(熊撃退スプレー)とは・・・
・強烈な刺激が決め手
・効果は日本でも実証済
・野生動物の保護管理や被害防除にも利用 (キーワード:
奥山放獣、捕獲放逐、お仕置き)
・(条件付け、お仕置き)奥山放獣について
・被害防除による野生動物の保護
・仕 様
・オプション(専用ホルスター、専用バックルホルスター、CAベルトホルスターなど)
・有効成分の説明
・有効成分や使用している高圧ガス、汚染除去および被害処置の説明 (2001.04.02)
・別売りの専用のケース、「専用ホルスター&専用バックルホルスター」をご紹介します!
・使用上のご注意、救急処置
・警告
・よくある質問 Q&A
・カウンターアソールトが紹介された本、雑誌、その他マスコミ媒体
カウンターアソールトを購入される前に必ずお読みください (重要なことが記載されています)
●カウンターアソールトの発射画像
●カウンターアソールトの写真集
Vol.1/持ち方#1/持ち方#2/噴射の瞬間/噴射
●カウンターアソールトの写真集
Vol.2/迫り来るヒグマにカウンターアソールトを発射している写真
川でグリズリー・ベアに遭遇したフラーフィッシャーマン達の運命やいかに・・・
元祖・熊撃退スプレー『カウンターアソールト(CA230)』 税別
17,600円/税込 19,360円 (2024年7月1日からの新価格)
赤缶のカウンターアソールトCA230(写真右)
カウンターアソールト CA230(税別 17,600円/税込
19,360円)(2024年7月1日からの新価格)
なお、缶の色は20180年4月から黒から赤に変更されました。黒色の熊スプレーは既に製造中止しております。
セイフティクリップは蓄光樹脂(暗い場所で光る)製です。
元祖熊撃退スプレー「カウンターアソールト(CA230)」(左/※現行のカウンターアソールトの缶は赤色です)と「カウンターアソールト・ストロンガー(CA290)」(右))と、
2006年3月から発売されている姉妹品「カウンターアソールト・ストロンガー(CA290)」(右:税別 22,000円/税別
24,200円)(2024年7月1日からの新価格)
新CA熊撃退セット 税別 21,800円/税込 23,980円 (2024年7月1日からの新価格)
(カウンターアソールト+
CAベルトホルスター 熊よけホイッスルG.I.型+ CA熊鈴S+CAステッカー)
(※画像は旧タイプです)
日本で販売実績のある元祖熊撃退スプレー・カウンターアソールトと、カウンターアソールト社オリジナルのCAベルトホルスターとCA熊鈴S、熊よけホイッスルG.I.型をセットにしたお得な限定商品です。さらに、CAステッカーを1枚お付けします。
CA熊撃退セットに同梱されている商品
・元祖熊撃退スプレー・カウンターアソールト(CA230)
・CAベルトホルスター
・熊よけホイッスルG.I.型
・CA熊鈴S
・CAステッカー
熊撃退スプレー「カウンターアソールト(旧黒缶)」(写真の右)と、
2001年4月に輸入を開始した、新製品の「OC-10 S」&「OC-10
M」(防犯・護身・ストーカー撃退スプレー/写真の左と中央)
※OC-10は対人用に開発された催涙スプレーです。現在取り扱っておりません。カウンターアソールトの黒缶は旧タイプです。赤缶に移行しています。
カウンターアソールト(熊撃退スプレー)とは・・・
熊や犬などの動物から攻撃を受けたときに使う、米国製の画期的なペパー・スプレー(10%唐辛子エキスを主成分とするスプレー)です。上部にある発射レバーを押すと、中からガス状になった唐辛子エキスが、勢い良く4mから9m発射されます。それが熊の顔にかかると、その強力な刺激と痛みで、熊を追い払うことができます。成分自体は無害で、所持に特別な許可は必要ありません。ただし、悪戯や犯罪に使用した場合、法律によって処罰されます。
カウンターアソールトは、世界で初めて熊撃退用に開発されたペパー・スプレイです。最も効力がある高圧噴霧式を採用し、320万SHU(SHU:スコビル熱単位:辛さの度合いを示す測定値:刺激の強さの目安になる)の激烈な刺激でクマを撃退する、最強の熊撃退スプレーです!
カウンターアソールトは熊に遭遇し、攻撃されそうになった場合に、自分を守るために使用する護身スプレーです。もちろん、クマを殺したり疾病や傷害を与えることもありません。グリズリー・ベア(北米に棲息する大型のヒグマ)の生息地として有名な、アメリカ北西部のモンタナ州にある、モンタナ大学のグリズリーベア研究チームと、Bushwacker
Backpack &Supply Co,.
Inc.(カウンターアソールト社)が共同で研究開発した製品です。有限会社アウトバックは日本総代理店として、1990年からカウンターアソールトを日本に輸入し、国内市場に供給し続けています。
ところで、カウンターアソールトが誕生したのは、Bushwacker Backpack
&Supply
社の創設者・ウィリアム・パウンド氏が、バイクに乗って一人で放浪の旅を続けていた頃に遭遇した、ある恐ろしい事件がきっかけでした。モンタナ州に入り、グレイシャー国立公園の近くにある、ハングリーホース・ダム湖畔でキャンプをしていたときに、彼はグリズリー・ベアに実際に襲われてしまったのです。夕方あたりが暗くなってからダム湖畔に到着した彼は、場所をよく調べないままテントを設営してしまいました。実はその場所は、熟したハクベリー(甘酸っぱくて美味しい野生のベリー)の茂みに囲まれた、クマの餌場のど真ん中だったのです。夜、ハクベリーを食べに出てきたグリズリー・ベアに、彼のキャンプは荒らされてしまいました。幸い怪我はありませんでしたが、その恐ろしい体験がきっかけとなり、放浪の旅は終止符を打たれました。ウィリアム氏はモンタナ大学のクマの専門家と共同で、クマを殺さずに且つクマから人間を守る方法の研究を開始しました。
カウンターアソールトの研究は、モンタナ大学のグリズリー研究チームによって、1981年に着手されました。そのリーダーのチャールズ・ジョンケル博士(米国モンタナ州/モンタナ大学名誉教授)は、30年間で1,000頭以上のシロクマやグリズリーベア、ブラックベアなどの調査を手がけた、アメリカでも有名なクマの専門家です。そして、6年間にわたる実際にクマを使った300回以上のテスト(そのうち77回は、実際にグリズリーベアが人を威嚇しているか、攻撃を仕掛けようとしたときにスプレーを発射し、すべて追い払いに成功している)で、その素晴しい効果が実証されています。1986年から製品化され、しかも、製造元のBushwacker Backpack &Supply Co,. Inc. によって、現在も日々改良が続けられています。このように、カウンターアソールトは科学的にその効果が検証されているので、EPA(アメリカの環境庁)でもカウンターアソールトが熊撃退に効果があると、公式に認めています。また、国際クマ学会(IBA)においても、これまでに多くのクマ研究者が、カウンターアソールトの効果を認める論文を発表しています。
なお、カウンターアソールトの研究・開発には、前述のチャールズ・ジョンケル博士の他にも多くのクマの研究者が関わっております。その中には『Bear Attacks』の著者としても有名なスティーブン・ヘレロ博士(カナダ・カルガリー大学名誉教授/動物行動学)や、"WIND RIVER BEAR INSTITUTE"の創設者で、カレリアン・ベアドッグを利用したクマ対策の第一人者のキャリー・ハント氏(米国ユタ州/動物学、野生動物学専攻)が含まれています。
カウンターアソールトは、ホッキョクグマやグリズリー・ベア、アメリカン・ブラックベア、ヒグマやツキノワグマをはじめ、アフリカゾウ、ライオン、野牛、ニホンザル、シカ、犬、猫など様々な動物に対して強力な忌避効果があります。米国やカナダ、日本など世界各地で利用されています。
仕様
元祖熊撃退スプレー・カウンターアソールト(CA230)
●サイズ/(※高さ)約215mm × (直径)53mm
※缶底〜セイフティークリップの先端部までの長さを計測した数値を、「高さ」として表記しています。
●NET 重量/ 310g (NET重量/ 230g)
●内容物/OC (OC:オレオレジン・カプシカム)(トウガラシエキス)
●OCの含有量/18% (1.73%MC) MC:Major
Capsaicin(主要カプサイシン)
●噴射距離の目安/約9.6m(※1)
●辛さ度/320万SHU(※2)
●高圧ガス/HFC-134a
●ガスの噴射形式/高圧噴霧式
●価格/17,600円(税別)、19,360円(税込)(2024年7月1日からの新価格)
※セイフティクリップの上下を確認し、正しく差し込んでください。逆に差し込むと誤噴射するので大変危険です!
●オプション:
1.
別売りで数種類のホルスター(専用ケース)をご用意しております。
カウンターアソールトの運搬や携帯が、安全で便利です。
2.
製品には蓄光樹脂製のセイフティークリップが1個付属しています。
セイフティークリップを紛失した場合には、別売りのセイフティークリップをご用意しております。
3.
唐辛子成分を含まないトレーニング用のカウンターアソールトをご用意いたしました。
クマ対策の講習会や、店舗での販売促進用などにご利用いただけます。
充填されているガス(HFC-134a)には唐辛子成分が含まれてが、念のため屋外での噴射を推奨いたしますjk。
専用ホルスター 税別 3,500円/税込 3,850円
専用バックルホルスター 税別 3,900円/税込 4,290円
CAベルトホルスター 税別 3,200円/税込 3,520円
セイフティークリップ 税別 500円/税込 550円
USMC型専用ベルト 税別 2,700/税込 2,970円
トレーニング用・カウンターアソールト 税別 4,980円/税込 5,478円
左・専用バックルホルスター/ 中&右・専用ホルスター
※1.
カウンターアソールト社の測定値。無風状態の室内で実施された実験に基づく。野外では風や気温などの影響を受け、噴射距離や噴射時間は変化します。
※2. SHU(スコビル熱単位):以下の「有効成分」の説明をお読み下さい。
有効成分
有効成分: Oleoresin
Capsicumオレオレジン・カプサイシン、通称OCは、辛い食品に使用される唐辛子などからとれる油性の樹脂で自然にあるものである。OC/ペパーを成分とする護身用スプレーは、ほとんど即効的に皮膚に焼けどのような感触を起こし、目をヒリヒリさせ、催涙効果と腫れを起こす。OCが吸い込まれた場合、気管に炎症が起きるため気道の粘膜が腫れ上がり、一時的に短く浅い呼吸になる。CNおよぶCSの両者にも催涙および呼吸困難の作用があるが、OCに見られる炎症、腫れの効果はない。
なお、カウンターアソールトの有効成分であるカプサイシンは、スパイスのレッドペパーやカイエンペパー、チリペパーなどの辛みの主成分です。カプサイシンは消化液とアドレナリン(ホルモンの一種)の分泌を促し、食欲を高め、血液の循環をよくし、発汗作用を促すと言われています。
ペパースプレーのOC含有量は、たいてい他の材料の重量とのパーセンテージとして記されている。しかし、異なるペパースプレーの「辛さ」を計測するには、パーセンテージだけでは比較できない。その理由は、オレオレジン・カプサイシンの辛さ成分は、そのカプサイシノイド含有量によるためである。ゆえに、OCの辛さは、それに含まれているカプサイシノイドの量に直接比例しているが、製造会社によって顕著に違いがある。OCが持つ辛さは、たいていScoville
Heat Unit
(SHUスコビル熱単位)として評価される。この評価単位は、料理や園芸食物において味覚の主観的な測量単位であり、SHUは数千から数百万単位と幅広い。例えば、原材料が500,000SHUのOCから、10%のスプレーを生産すると、その辛さ評価はOCの1割の50,000SHUである。
しかし、原材料が2百万SHUのOCで、同じように10%スプレーを生産すると辛さ評価は200,000SHU、つまり、同じ10%スプレーという表示を持つものの、前者の4倍の辛さがあるスプレーができる。このため、より正確なMajor
Capsaicin(主要カプサイシン)含有量の測定法を使用することを勧める。これはHPLC(高度液体クロマトグラフィー)を用いて、MC混合物がもつ5つのMCピークのうちの3つを測定することができる。例えば、カウンター・アソルト・クマスプレーは最低OC含有量18%(1.73%MC)で、3,200,000SHUの辛さ評価がある。すべてのカウンター・アソルトに使用されているOCは、食料品の材料品質である。
(Counter Assault社が作成した「Couonter Assault Training
Manual」を、有限会社アウトバックが翻訳した「カウンターアソールト トレーニング・マニュアル」より引用)
カウンターアソールトの主成分は、天然の赤唐辛子(cayenne
pepper)から抽出した10%濃度の唐辛子エキス(カプサイシン)です。カプサイシンは食品として利用されており、人や動物の体内に入っても害はありません(※1)。ただし、ガス状になったカプサイシン(CA)を浴び、呼吸するときにそれを吸い込むと、目や鼻、喉の粘膜が焼けるように痛み、呼吸機能にも影響します。効果は短時間続くだけで、毒性はありません。つまり、CAガスの強力な刺激で、熊の興奮を静め、熊の攻撃能力を奪い、熊を追い払うわけです。
カウンターアソールトの強力なクマの撃退効果が、アメリカでは警察や
FBIに高く評価され、アメリカ国内の多くの警察署で防犯や犯人逮捕、治安維持のために、カウンターアソールト(OC-10)が利用されています。
環境に優しい代替フロン(HFC-134a)が使用され、特殊な仕組でCAガスを約6mから約9.6m発射することができます。ただし、風や地形的条件などに影響を受けます。
※1 カウンターアソールトに注入されている唐辛子エキスは、食用ではないので内服できません。ただし、体内に入っても毒性や発ガン性のないことが、FBIが行った実験で判明しています。
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効果は日本でも実証済
カウンターアソールトは1987年に、アメリカ人のクマ研究家・テリー
ドミコ氏によって、日本で最初に使用されました。彼はアジアのクマを研究するために来日し、当時環境庁の委託を受け、秋田県の太平山でツキノワグマの調査を続けていた米田一彦氏(現・日本ツキノワグマ研究所長)を訪ねていきました。そして、冬眠中のツキノワグマを調査するために、米田氏に同行して、冬の太平山に行きました。調査中に突然ツキノワグマが樹洞から飛び出し、若い調査員に向かっていきました。危険を察知したテリー
ドミコ氏は、アメリカから持参したカウンターアソールトを素早く噴射して、そのツキノワグマを撃退しました。カウンターアソールトが日本で初めて使われたのが、まさにこのときでした。このエピソードは、動物写真家・田中光常氏の著作、『動物への愛限りなく』(世界文化社)の中でも紹介されています。
秋田県を後にしたテリー
ドミコ氏は、カウンターアソールトをヒグマに試すために、北海道に渡りました。そして、のぼりべつクマ牧場のヒグマの専門家、前田菜穂子氏らと共同で、ヒグマにカウンターアソールトを発射する実験を行い、日本のヒグマにも効果があることが初めて確認されました。この実験の成果は、学会などでも発表されています。
一方、秋田での調査を終えた米田一彦氏も、環境庁のツキノワグマの調査地が西中国山地で始まるのに伴い、広島県に移りました。米田一彦氏はツキノワグマに、これまで6回ほど攻撃を受たことがありますが、カウンターアソールトでクマの撃退に成功しています。詳細は米田一彦氏の著書『クマを追う』(どうぶつ社)や『山でクマに会う方法』(山と渓谷社)の中に書かれているので、ぜひご一読下さい。
なお、米田一彦氏は平成10年6月10日に、『生かして防ぐ クマの害』(発行・(社)農山漁村文化協会)を出版しました。この本は、長年クマの調査・研究に携わってきた米田氏の集大成とも言える、内容のとても濃い本です。クマ被害防除法も詳しく説明されているので(※2)、クマ被害対策に取り組まれている行政担当者や被害農家のとっては、日本で初めてのクマ被害対策のテキストでもあります。『山でクマに会う方法』と『生かして防ぐ クマの害』は当社でも販売しておりますので、ぜひご一読ください。
当社が1990年からカウンターアソールトの輸入を開始して以来、今までに多くの方がカウンターアソールトを利用されていおります。例えば、1997年6月に世界で初めて北極海横断単独徒歩行に成功した、山形県出身の冒険家・大場満郎氏もその一人です。1994年〜1997年に行った4回の北極海横断単独徒歩行で、迫り来るホッキョクグマを、カウンターアソールトを使って3回も撃退に成功しています。大場満郎氏の著書・『北極の日本晴れ』(光文社)には、ホッキョクグマに遭遇してからカウンターアソールトで撃退するまでの、手に汗握る状況が生々しく記録されています。
また、国際的に有名な登山家・ラインホルト・メスナー氏も、1995年に北極海横断徒歩行を友人や兄弟3人と行ったとき、接近してきたホッキョクグマをカウンターアソールトで撃退に成功しています。なお、当社は大場氏の『北極海横断単独徒歩行』を、1994年から支援しています。さらに、1997年に日本人で初めて徒歩による北極点到達に成功した河野兵市郎氏や、1997年に北極海横断に挑戦したイギリス人の遠征隊にも、カウンターアソールトを提供しております。
さらに、国内でもカウンターアソールトを使用した実験が各地で行われ、その効果が学会などで発表されています。主な実験は次のとおりです。のぼりべつクマ牧場(1987.4 前田菜穂子・テリー
ドミコ)(1991.11 前田菜穂子、坂本秀行)、栃木県立博物館(1989.9 小金沢正昭)、阿仁町熊牧場(1991.11 阿仁町熊牧場、アウトバック)。
※2 カウンターアソールトをはじめ、当社で扱っている各種クマ被害防除機器も本文中で紹介されています。
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野生動物の保護管理や被害防除にも利用
西中国山地ツキノワグマ個体群は、生息数が200頭から300頭と推定され、環境庁で編集したレッドデータブックでも、その個体群の絶滅が危惧されています。そこで、環境庁、広島県、島根県、山口県、そして地元の町村や民間の研究機関では、ツキノワグマの被害防除とともに、西中国山地ツキノワグマ個体群の保護管理策が進められています。その一環として、罠で捕獲(生け捕り)したクマを、殺す(有害鳥獣駆除)かわりに「お仕置き」をして、奥山に運んでから解き放す、「奥山放獣」(捕獲放逐)が行われています。
捕獲されたクマが暴れて怪我をしないように、罠はドラム缶罠か特製のバレル・トラップが通常使われます。そして、山に放獣される際に、カウンターアソールトの強烈なカプサイシン(唐辛子)・ガスが浴びせられます。これが「お仕置き」です。畑や人家周辺に出て来て悪さをすると、こんなに痛い思いや恐ろしい思いをするぞと、クマに教育するわけです。米田一彦氏の調査・研究によると、お仕置きされたクマによる被害発生は減るそうです。このようにカウンターアソールトは、絶滅の危機にある西中国山地のクマの保護管理と、被害防除に貢献しています。
現在では、西中国地方以外でも長野県や栃木県などの多くの自治体で、クマの被害防除や保護管理対策にカウンターアソールトが利用されています。
カウンターアソールトを渓流釣りや登山、キャンプ、狩猟などのアウトドアや、山菜や茸採り、造林業や地質調査、測量、電力関連、ダムや道路建設、環境アセスメント調査、野生鳥獣の撮影や観察、学術調査などで、クマの生息地に入る機会の多い方に是非お勧めします。
《南部熊鈴》や《熊よけリンリン》、《熊よけホイッスル》とセットでご利用になれば、さらに熊被害防除の効果がアップします。
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奥山放獣、移動放獣、捕獲放逐、お仕置き
クマを捕殺さずに被害を防ぐ方法として、最近「奥山放獣」が注目されています。この方法は米田一彦氏(日本ツキノワグマ研究所所長)が西中国山地での調査・研究で確立した画期的な方法です。ただし、情報が正しく伝わっていないため、様々な誤解や、誤った「奥山放獣」が行われている例もあるので(※3)、誤った方法を行わないように注意が必要です。取り組みには専門家のアドバイスや、正しい放獣の手獣、放獣時・放獣後の安全対策、放獣後の追跡調査、モニタリング、再被害判定などが必用です。現在、奥山放獣は全国各地で実施されるようになりましたが、正しい手法を用いなければ効果を得ることができません。
幸い、農文協から平成10年6月10日に出版された『生かして防ぐ クマの害』(米田一彦・著)の中には、広島県が策定した「捕獲ー放獣の手順」や、放獣時の条件付け(お仕置き)の仕方、放獣の仕方、放獣後の追跡と再被害判定の仕方などが詳しく書かれているので、ぜひ参考にしてください。通常、放獣時の条件付け(お仕置き)にはカウンターアソールトが使用されています。
また、信州ツキノワグマ研究会も独自の考えで、お仕置き(クマにカウンターアソールトのガスを噴射してし、人間の怖さを学習させる)後の捕獲放逐で、クマ被害防除に取り組んでいます。
■奥山放獣、捕獲放逐、お仕置きについては、信州ツキノワグマ研究会のホームページで詳しく説明されています。
http://www.shiojiri.ne.jp/~koyama/index.html/
※3 狭い日本では、アメリカのように人里から数十キロ、数百キロも離れた奥山に、クマを運んで放獣する事はできない。そもそも「奥山」自体が既に無くなってしまったという話しさえ耳にする。モンタナ州では100キロメートル以上遠くに放したクマが、再び戻ってきた例もある。まして、日本の奥山放獣のように、数キロ、十数キロ離れた場所に、お仕置きもせずにクマを放獣しても、元の場所に戻ってくると考えた方がよい。ただし、条件付け(お仕置き)することによって「人の恐さ」をクマに学習させ、仮にクマが戻ってきても、再被害を発生させないようにすることが肝心である。奥山放獣を提唱している米田一彦氏(日本ツキノワグマ研究所所長)も、奥山放獣で最も大切なことは、クマが戻って来る・来ないかではなく、クマが戻ってきても再被害を出す・出さないかの判定をする事だと指摘されている。
※3 クマを捕まえて、何もしないで離すだけでは、「再被害防除」といった目的はあまり望めない。条件付け(お仕置き)が必要である。
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被害防除による野生動物の保護
当社はクマなどの野生動物による被害防除を、重要な業務の一つとして考えています。なぜならば、被害を未然に防ぐ(被害を減らす)ことによって、有害鳥獣駆除される野生動物も減るからです。すなわち、「野生動物の保護」と「被害防除」は車の両輪と同じです。両方のバランスが取れいなければ、様々な弊害が発生します。野生動物による被害の実状や、被害の負担や苦しみを知る側に立ち、人と野生鳥獣の共存策を考え、実践することが必要だからです。被害防除法が総てではありませんが、「人間」と「野生動物」の双方を救うことになると、当社は信じています。
アウトバックは野生動物被害防除用の電気牧柵や、特殊な音波によって動物を追い払う装置なども販売しています。野生動物(特にクマ)による果樹や農作物、養蜂などの被害にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
●野生動物被害網除電気柵のページ
クマ被害防除簡易電気柵でクマの被害が食い止められたデントコーン畑(岩手県遠野市)
カタログ(無料)を請求します。注文します。
■有限会社アウトバック 野生動物対策係
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クマ避け鈴
護身スプレー「OC-10」
よくある質問 Q&A
Q1 カウンターアソールトで本当にクマを撃退できますか?
A1 北海道の「のぼりべつクマ牧場」が1987年と1991年に行ったヒグマを使った実験で、効果がそれぞれ確認されています。また、秋田県の「阿仁町熊牧場」で1991年に行ったツキノワグマを使った実験(1991年11月)でも、効果が確認されています。さらに、世界で初めて北極海単独横断徒歩行に成功した大場満郎さんは、1994年、1995年、1997年に合わせて3回もホッキョクグマの撃退に成功しています。
それから、「山でクマに会う方法」(山と渓谷社)など多くの著書で有名な、米田一彦さん(日本ツキノワグマ研究所)も今まで6回ほどカウンターアソールトを使って、ツキノワグマの撃退に効果を上げていますし、国際的に有名な登山家のラインフォルト・メスナーも、1995年に挑戦した北極海徒歩横断の際に、迫ってきたホッキョクグマをカウンターアソールトで撃退しています。その他にも、野性動物のカメラマンや一般の登山者も、クマとの遭遇時にカウンターアソールトを使用して難を逃れています。各地で行われている「奥山放獣」でも、クマをお仕置きするときにカウンターアソールトが使われています。
海外でもカウンターアソールトの効果は、多くのクマの研究者によって、国際クマ学会など公の場所で発表され、公的にも認められています。最新の情報ですが、熊撃退のこれまでの実績がアメリカ合衆国政府から高く評価され、Bushwacker
Backpack &Supply Co,.
Inc.の研究開発費に、合衆国政府の補助がつきました。
カウンターアソールトは1986年に、世界で初めて熊撃退用に開発された、唐辛子スプレーです。16年間のフィールドテストによる実績と、そこで得たノウハウが製品に活かされています。これは他社でまねのできないことです。最近、類似品が出回っていますが、それらの製品はクマ避けの効果が、科学的に確認されているかは不明です。また、唐辛子エキス(カプサイシン)自体にも忌避効果の高い物(激しい刺激のあるもの)から低い物(刺激の少ない物)まで、様々な物があります。カウンターアソールトで使用されている唐辛子エキスは、最もクマ撃退に効果がある、優れた品質の原材料を使用しています。購入の際は商品名をお確かめになり、カウンターアソールトとご指名ください。
Q2 カウンターアソールト何回使用できますか?
A2 製造メーカー(米国)では使用可能回数(何回使用できるか)について、明言しておりません。これは、使用方法、保管方法、使用時の条件(気温や高度)などによって異なるからだと思われます。よって、輸入代理店である当社では、使用可能回数について明言する権限はございませんので予めご了承下さい。
ただし、常温の環境下において、連続して5秒〜7秒間噴射することが可能です。レバーを放すとガス噴射は自動的に止まります。スプレー缶の中に噴射ガスが残っている限り、数回〜十数回(1回あたりの噴射時間や、使用環境の温度などによる)に分けて噴射することができます。
また、クマと遭遇し、実際にカウンターアソールトを使用した人の多くは、ガスが出なくなるまでレバーを圧し続けています。生死を分けるような状況下においては、あと何回使用できるかよりも、その状況を確実にサバイバルできるかの方が重要ではないでしょうか。
カウンターアソールトは使用者の安全を確保し、確実にクマを撃退するために、高圧ガスを一気に噴射するシステムを採用しています。ガス圧を下げれば、使用回数を増やすことは可能ですが、噴射距離は短くなり、効果は低くなります。
Q3 有効期限の過ぎたカウンターアソールトの処分方法を教えて下さい。
A4 処分方法についての詳しい情報はこちらをご覧下さい。
Q5 カウンターアソールトとカウンターアソールト・ストロンガーはなぜ値上げしたのですか?(注:2011年3月に値下げしております。)
A5 「カウンターアソールト」と「カウンターアソールト・ストロンガー」は、原材料(カプサイシン)費の国際的な高騰により製造コストが増え、米国の製造メーカーが輸出価格を値上げしたことと、航空ジェット燃料の値上げによって輸送コストが上昇したことが主な値上げの理由です。
米国のカウンターアソールト社は世界で初めてカプサイシン(唐辛子エキス)を成分とした熊撃退スプレーを開発・販売した企業としての責任とプライドがあります。恒に最高品質のカプサイシンを原材料に使用することにより、320万SHUという最大の辛さ度(刺激)のカプサイシン・ガスをクマに浴びせ、他社の類似製品よりもクマ撃退の効果を高めています。
ただし、高品質のカプサイシンは低品質のカプサイシンよりも価格が高く、製造コストも増えることになります。安い低品質のカプサイシンを使用すれば、安い製品を製造可能ですが、クマ撃退の効果も小さくなってしまいます。
Q6 カウンターアソールトやカウンターアソールト・ストロンガーは航空機に持ち込みできますか?
A6 一部の国内線ではヘアースプレーなどの機内持ち込みが認められているケースもあります。ただし、テロ防止や危険物持ち込み禁止等の理由で、カウンターアソールトやカウンターアソールト・ストロンガーなどの唐辛子ガススプレーやその他の催涙スプレー類は、国際線と国内線の航空機への持ち込み及び搭乗荷物としての預け入れが一切認められておりません。誤って持ち込んだ場合は、空港管理会社が没収するケースが考えられるので注意が必要です。
カウンターアソールトが紹介された本、雑誌、その他マスコミ媒体
・2005年03月01日発行、『デジタルカメラマガジン』(株式会社インプレス・発行)2005年4月号の記事なかで、熊撃退スプレー「カウンターアソールト」が2カ所で紹介されました。
・2004年10月8日付『ナイガイ』(内外タイムス)の、クマ対策の特集の中で紹介されました。
・2004年10月4日に放送された、『ウォッチ!』(TBSテレビ)のクマ特集の中で紹介されました。
・2004年8月1日発行の『野外毒本』(羽根田 治・著/山と渓谷社・発行)で、ヒグマやツキノワグマ、ニホンザル対策の中で紹介されました。
・2004年7月1日発行の『Fly
Rodders』7月号(地球丸)の特集「渓流で遭遇するかもしれない 危険についての基礎知識」(67ページ)の中で、のカウンターアソールトと南部熊鈴オリジナル(クマ避け鈴)の写真が掲載されました。
・2003年10月30日 新田次郎文学賞作家の熊谷達也氏の新刊『相剋の森』(集英社)中で、「唐辛子スプレー」の名称で熊撃退スプレー・カウンターアソールトが登場しています。
・2003年4月17日 『はなまるマーケット』(TBSテレビ)の番組の中で、ハイキングに便利なグッズとしてカウンターアソールトが紹介されました。
・2001年6月 『山と渓谷』2001年7月号(山と渓谷社)の『Caution』のコーナーで、山でクマに出会ったときの注意事項と一緒にカウンターアソールトが紹介されています。
・2001年4月 『自然保護』2001.4月号 No.455(財団法人日本自然保護協会)のなかで、アウトバックの活動とともに、カウンターアソールトが紹介されています。内容は先月「東京国際展示場」東京ビッグサイトで開催になった「SECURITY
SHOW
2001」に出展したときに、編集部の方に取材していただいたときのものです。
・1999年5月.21日 日本テレビの「ズームイン・朝!!」の番組放送中に、カウンターアソールトを紹介していただきました。
・1998年12月6日 12月6日放送(岩手県、秋田県は12月5日放送)の「所さんの目がテン!」(日本テレビ系)で、熊撃退スプレー・カウンターアソールトが紹介されました。
・1998.12月1日 ツーリングマガジン「OutRider」1999年1月号(ミリオン出版/12月1日発行)の好評の連載「へなちょこ探検隊の野山海川バイク旅」で、当社の熊撃退スプレーなどのクマ避け商品と、叉鬼山刀が紹介されています。
・1998年11月2日 「午後は◯◯思いっきりテレビ」(日本テレビ)で、当社のクマ避け商品が紹介されました!
・1998年10月13日 月刊誌「SINRA」11月号(新潮社)のp18、「知床の兄弟グマ」久保敬親氏の文章の中で紹介されています。
・1998年10月10日 月刊誌「OUTDOOR
EQIPMENT」11月号(ネコ・パブリッシング)で、特集「秋山入門」の「冬眠前のクマに山で出会わないために」という記事の中で写真入りで紹介されました。
・1998年9月8日 IBC岩手放送の「夕刊テレビ」で、カウンターアソールトや南部熊鈴などのクマ避け商品が紹介されました!
・1998年8月8〜9月23日 遠野市立博物館で開催された第37回特別展「山と暮らし ヤマダチ 失われゆく狩りの習俗」で、当社の叉鬼山刀(マタギナガサ)、南部熊鈴、カウンターアソールトなどが展示されました。
・1998年7月10日 月刊誌「岳人」7月号(東京新聞出版局)の中で、前田菜穂子氏(のぼりべつクマ牧場ヒグマ博物館学芸員)の「ヒグマとの事故を防ごう」という特別寄稿文が掲載され、当社のカウンターアソールトも紹介されています。
・1998年6月10日 米田一彦氏(日本ツキノワグマ研究所代表)の新刊『生かして防ぐ クマの害』(農山漁村文化協会)の中で、当社のカウンターアソールトなどのクマ対策商品が紹介されています。
・1999年6月5日 米田一彦氏(日本ツキノワグマ研究所代表)の新刊『ツキノワのいる森へ』(アドスリー)の中で、当社のカウンターアソールトなどのクマ対策商品が紹介されています。
・1998年4月1日 『北海道の渓流21』(つり人社)に掲載された、前田菜穂子氏(のぼりべつクマ牧場・ヒグマ博物館の学芸員)の「知っておきたいヒグマの話し」の中で、カウンターアソールトが紹介されています。
・1994年10月発行 『地の果てに住む』(リチャード・リオ/著、野田知佑/訳、飛鳥新社/刊)に、熊撃退スプレーについて紹介している一文があります。